研究実績の概要 |
3次元多様体、特にホモロジー3球面に対して、その基本群のSL(2;C)-既約表現、それぞれに対応する複素数値位相不変量であるReidemeister torsionと、それらを零点に持つ多項式の具体例や性質に関する研究を行った。 特に、先行研究を踏まえてSeifertファイバー空間の中で、特異ファイバーが3本であるBrieskornホモロジー球面の基本群のSL(2;C)-表現に関するReidemeister torsionを零点に持つ多項式に関して性質について研究を行った。 このようなBrieskornホモロジー球面は自然数の3つ組 (p,q,r) で記述される。与えられた2つのBireskornホモロジー球面に対してこの自然数の3つ組がある関係:(p,q,kr)と(p,q,r)のように2つは一致し、どれかがもう一つの約数になっている場合、これらの基本群の間には(p,q,kr)から(p,q,r)の向きに全射準同型写像が存在することが知られている。先行研究により、一般のBreiskornホモロジー球面の具体的なSL(2;C)-既約表現の表示とそれに対応するReidemeister torsionの値を書き下す公式は得られている。この公式を用いることにより、この基本群の間に全射準同型写像が存在する2つのBrieskornホモロジー球面に関して、Reidemeister torsionの値を零点に持つ多項式の間には可除性が存在することがわかった。すなわち、(p,q,kr)に対応する多項式は可約であり、(p,q,r)に対応する多項式を必ず因子として持つことが証明できた。
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