研究課題/領域番号 |
16K05190
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
細川 卓也 茨城大学, 工学部, 准教授 (90553579)
|
研究分担者 |
大野 修一 日本工業大学, 工学部, 准教授 (20265367)
瀬戸 道生 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 総合教育学群, 准教授 (30398953)
岡 裕和 茨城大学, 工学部, 教授 (90257254)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 合成作用素 / 荷重合成作用素 / 解析関数空間 / 関数解析学 / 複素解析学 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、単位円板上の解析関数空間において、合成作用素や掛け算作用素の作用素論的性質を作用素のシンボルの関数論的性質で特徴付けるというという問題設定に加えて、シンボルの関数に対する代数的な演算が作用素の性質にどの様に影響するかという問題も併せて研究している。 Bergman空間においては、φ・Ψをシンボルとする合成作用素C_(φ・Ψ)のコンパクト性は、角微分についての条件で特徴付けることが出来た。 Bloch空間上では、状況が複雑であり、いくつかの場合に分けて、C_(φ・Ψ)がコンパクトになる場合とならない場合を双曲微分を用いた条件で分類した。 また、little Bloch空間においては、C_(φ・Ψ)が有界になる場合も自明ではない。このため、C_(φ・Ψ)が有界性とコンパクト性について研究し結果を得ている。 (日本工業大学・大野修一准教授との共同研究、現在該当する論文を投稿中) また、メビウス変換の合成積を二項演算(以下ではメビウス・ジャイロ積と呼ぶ)とすることで、単位円板上にジャイロ群の構造が入ることが知られている。これに関連し、二次の正値可逆行列の全体におけるジャイロ群の代数構造について、茨城大学・岡裕和氏と茨城大学・阿部敏一氏と共同研究が始まった。ジャイロ群は結合法則を満たさないので、二次の正値可逆行列の全体における結合子((a+b)+c)-(a+(b+c))の計算(便宜的にジャイロ演算を「+」で表した)を行い、結合子が単位行列になる場合を調べ、結果を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来の研究テーマである解析関数空間上の合成作用素に加えて、ジャイロ群の共同研究も始まり、どちらも十分な結果を得ているため、順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、解析関数空間上の作用素の研究と、二次の正値可逆行列の全体の成すジャイロ群の代数構造の研究の両面から研究課題を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品が予定より安く購入できたことと、研究分担者のうち1名が異動した都合で出張が予定より減ったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度実施分として支払請求した分と合わせて、当初の計画通りに使用する。
|