研究実績の概要 |
Heisenberg 群を含むhomogeneous 群上である種の特異積分作用素と最大特異積分作用素を考えて, それらの作用素の 荷重Lp 空間上での弱有界性が示された. ここで, 特異積分作用素には滑らかさの正則性が仮定されていなく, サイズに関する最小の仮定と cancellation に関する仮定が置かれているのみである. ある種のMarcinkiewicz 積分により重みつきSobolev 空間を特徴づけることに成功した. このMarcinkiewicz 積分は球上での積分平均とその一般化に基づいており, 距離空間上でSobolev 空間を定義することに応用される. さらに離散型Marcinkiewicz 積分による重みつきSobolev 空間の特徴づけも示された. これらの結果を示すためにLittlewood-Paley 作用素に関係した斉次型 Fourier multiplier に対する reversed estimates に関する Hormander の結果が dyadically homogeneous Fourier multiplier の場合に重みつき空間上に一般化された. これらの結果は S. Sato, Littlewood-Paley equivalence and homogeneous Fourier multipliers, Integr. Equ. Oper. Theory 87 (2017), 15--44 に出版された. オーダー2のSobolev 空間の場合には, 同様の方法により, 少し異なる方法でも特徴づけがなされた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
homogeneous 群上の特異積分作用素とMarcinkiewicz 積分に関してよい結果が得られている.さらに Marcinkiewicz 積分とSobolev 空間, Potential 理論との興味ある関係が示されつつある. しかし, 滑らかさの正則性のない非斉次核から定義される Calderón-Zygmund 型(パラボリック)特異積分作用素の 弱 (1,1) 有界性及びこのような特異積分核から定義される F.Ricci-E.M.Stein 型の(多項式相関数の振動因子を持つ)振動特異積分作用素に対する弱 (1,1) 有界性を示すことに対してははまだ研究が進んでいない.
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