研究実績の概要 |
等比数列の小数部分列の一様分布性についての研究が進展した。2016年に発表した論文により公比がある閾値より大きい場合に差異量の従う重複大数の法則に現れる定数を与える公式が得られているが、小さい公比についての研究はなされていなかった。この定数の決定により一様分布への収束の速さが完全にわかることを見れば、閾値より小さい公比についても研究を進めることが求められていることがわかる。 本年は閾値より小さい公比をいくつか選び解析した。その結果閾値より小さい13/6 についても公式が成り立ち、閾値が完全ではないことを示した。また公式が成り立たない場合も計算し、その公比を型で分類した。4/3, 8/3, 10/3, 12/5, 17/8 はII型であり、19/10 はIII型であり、12/7 はIV型であり、 8/5 は V型であり、それぞれについて差異量の従う重複大数の法則に現れる定数を具体的に表示することに成功した。例を挙げると 4/3 の定数は(18/7)sqrt(117609/2985983)であり、19/10 の定数は(2/17577)sqrt(164976744723844487453892396181253653898900368036274961322838030028584448835/8535800662859082038722574792812344200037037037037037037037037037037)であり、12/7の定数は(1/18335)sqrt(1288914789424650371352900618359881195696318380071236938/15230103878098355389592475654267327331681959935)である。 この結果は2018年6月に出版される予定であり、すでに受理、WEB公開されている。
|