研究課題/領域番号 |
16K05209
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
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研究分担者 |
田中 仁 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (70422392)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 複素補間 / モレー空間 / 積分不等式 |
研究実績の概要 |
研究の概要は主に次のものに大分される。1.モレー空間の補間理論およびその周辺 2.ベゾフ空間の理論の形成と書籍の作成 3.積分不等式の研究 モレー空間の補間理論については複素補間を主に研究しているが、一般のパラメータに対してはモレー空間の枠組みだけでは不十分なので、実補間についても研究し複素補間として得られた関数空間と実補間との結果を比較した。また、モレー空間の複素補間についてはわからないことが多いが、局所モレー空間についてはノルムの見方を変えることにより、ほとんどすべてのパラメータについて複素補間が可能であることを示し、実際にその表示を与えた。また、副産物としてダイヤモンド部分空間の複素補間についても考察して、第二補間の特徴づけで何が必要になるかを説明した。また、モレー空間に関連する関数空間として、グランドルベーグ空間、弱モレー空間などが挙げられるがこれらの補間、分割理論、包含関係、距離空間における性質などについても調べた。ベゾフ空間の理論形成については,ベゾフ空間の変種であるトリーベル・リゾルキン空間のアトム分解の方法を考察して、マルチン・キーヴィツ積分などへの応用があることを示した。日本語の拙著ベゾフ空間は英訳を終えて、2018年度に出版予定である。Brascamp-Liebの不等式は積分不等式としては基本的なものであるが、この不等式を応用して、直交Strichartz評価を示した。特に,ローレンツ指数について精密な情報を得ることができ,Keel-Taoの結果、自明なプランジュレルの定理から得られる結果以外にもう一つの重要な分岐点を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
閉部分空間の複素補間について考察してきたが、この際に必要な仮定はL∞とモレー空間が同一直線状に並ぶことであった。しかしながら、近年の研究でその性質は不要であるとわかった。このような理由から、複素補間の本質が見えてきたといえる。それでは実際に一般のパラメータについてモレー空間の補間理論について何が言えるか、補間空間はどのように記述されるかを考察する。
ベゾフ空間の理論について、書籍の作成は終了したので、さらなる分割理論の展開を考案する。
積分不等式の研究についてはルベーグ空間の考察は終わったが、ローレンツ空間における考察がまだなので、さらに調べていく。
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今後の研究の推進方策 |
モレー空間の補間理論については複素補間はカルデロン積であらわされると知っているので、実補間について類似の表示があるかどうかを考察する。
また、積分不等式についてはローレンツ空間に拡張して成り立つかどうかを調べたいが、そのためにはローレンツ空間に属する関数の例があまり知られていないので、その例を集めることから始める。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者の田中仁がインフルエンザにかかり予定していた出張に行けなかったため。
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