双曲型作用素に対するコーシー問題の C∞適切性の特徴付けは、偏微分方程式論における主要なテーマの1つであり、これまでに多くの研究があるが、未だ満足のいく結果は得られていないのが現状である。報告者が、主部の係数が時間変数にのみに依存する特別な枠組みではあるが、2重特性的である場合に C∞適切性の特徴付けを与えたことは、今後のこの分野の研究・発展に貢献するものと期待される。また3重特性的な場合を扱うために、subprincipal symbol を一般化して、sub-sub-principal symbol を初めて定義して、係数が時間変数のみに依存する場合に、C∞適切性の特徴付けを与えた。
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