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2018 年度 実施状況報告書

非線形拡散方程式における進行波と界面ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K05245
研究機関京都産業大学

研究代表者

柳下 浩紀  京都産業大学, 理学部, 教授 (80349828)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード非線形偏微分方程式
研究実績の概要

非線形の拡散現象を記述する放物型方程式に関して、進行波と界面のダイナミクスについて研究を行った。非線形系の拡散現象は、物理学、化学、生物学、さらに近年は金融工学上のモデル等、多くの分野で現れる。それらの中には、急激な状態変化が狭い領域に集中する界面と呼ばれる局在構造が出現して、この界面の示す振る舞いを理解することが非線形現象を解明する上での鍵になることが数多くある。単独、あるいは連立の非線形拡散方程式で記述される拡散現象では、界面の動力学を支配する方程式が、形式的な漸近展開によって、空間内の曲面の発展方程式として導かれている。これらの曲面の発展方程式は、微分幾何学的には広い意味で平均曲率流方程式と呼ばれるものとなる。拡散現象が単独方程式で記述されている場合には、導出の数学的正当化がすでに多くの研究者の努力の結果、ほぼ満足のいく形で成功している。しかしながら、この種の‘数学上の良い構造’を持たない一般の連立系に関しては数学的正当化は得られていない。本研究では、進行波のダイナミクスについては、FitzHugh-南雲方程式、あるいは、類似の方程式の進行波の衝突消滅を数学的に厳密に示すことを目指している。また、界面のダイナミクスについて、比較定理や変分構造を有さない一般の連立系に対して、界面のダイナミクスの縮約系として平均曲率流が現れることを数学的に厳密に示すことを目指している。一方、進行波や曲線の状態達の住む空間は、無限次元の空間と捉えることが自然である。そのような無限次元の空間を研究することは基礎的な問題である。そのような無限次元の空間は深い構造を持っていることが近年、明らかになってきたのだが、その構造の解析は容易でないことも分かってきた。そこで、当該年度は、有限次元の同種の構造を持った空間についての考察を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画からの多少の相違はあるが、全体としては、新たな予想が得られるなどの進展を得ている。

今後の研究の推進方策

有限次元の空間においても非自明な問題があることが分かってきたので、今後は、まずは、有限次元の場合についての詳細な解析を与えることを目指す。順次、無限次元については、どうなるか、などについても考えていきたい。

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公開日: 2019-12-27  

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