研究実績の概要 |
合同な多角形による球面タイリングのタイル推移性(すなわち,タイリングの対称群がタイルに推移的に作用していること)をそのタイリングの枠で特徴づけることを目標として, アルキメデス双対の枠を持つ球面タイリングの変形を研究した.合同な四角形による球面タイリングは,対称群が推移的に作用するものに限ることを,計算により示した.凸な四角形の場合 と同様に,計算時間を大幅に減らすことができた.その成果をSpherical tilings by congruent 4-gons on Archimedean dual skeletons, The 12th Annual Meeting of the International Academy of Mathematical Chemistry (IAMC) and the 2016 International Conference on Mathematical Chemistry (ICMC 2016), Nankai University, にて発表した. また,Michel Deza氏を招聘し討議し,polycycleと呼ばれるグラフを枠とするタイリングのmetric geometryの問題を考えた.Helixeneとwinding numberとの関係,Igor RivinのFullerrenのパラメータ,直角双曲多面体(Vesnin)などについても議論した.また, 東北大学を訪問したVesnin氏に中間結果を説明し, 彼らのグループが研究するLoebell多面体に関する興味を深めた.定負曲率面のタイリングについて示唆を受け, Dutourを訪問し, タイリングを分類するために, 三角法と区間算術を用いる精度保証計算によるプログラムの作成を試みた. また,Bobo Hua氏と非負曲率の組み合わせ曲面とタイリングについて議論を行った.
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