研究実績の概要 |
多面体の連続的平坦折り畳みに関する問題は凸多面体の場合が解決されていたが,凹凸のある場合については,その特別な場合として直交多面体,さらにα―多面体について解決し論文発表した.この課題を2つの方向へと発展させた.1つは産業応用上重要と思われる条件「多面体の非剛性部分と連続的平坦折りの動きの簡素化」であり,もう一つは高次元の多面体への拡張である.さらに,産業応用への研究も進んだ(特許申請1件). 1.研究内容:連続的平坦折りについて,3つの手法を開発したが,そのうちの「タコ形の翼折り」の方法は「非剛性部分」が少なく応用上優位である.そこで,双ピラミッド,さらにこれを拡張した立体について,連続的平坦化の問題をこの方法によって解決した(オックスフォード大での7OSMEで研究発表し,Proceedingsに論文が収録された).高次元への拡張については,高次元正多面体の2次元面からなる2-スケルトンを平坦化する問題を提案し,超立方体について解決(論文はrevisedを投稿)し,正単体について研究発表(JCDCG^3 2018 マニラ)した.この応用として仕切りのある二重箱を提案し,特許申請につながった. 2.共同研究者:伊藤仁一氏とゼミを頻繁に開催し,研究討論を重ねることができた. 3.研究発表:7OSME(オックスフォード大)やJCDCG^3 2018(マニラ)での国際カンファレンスや日本数学会、折紙工学などの種々の研究集会で多数の研究発表をした.社会貢献として,折紙工学関係の本を出版し,研究成果を分かりやすく解説した. 4.国際交流:7OSMEやJCDCG^3 2019にてE. Demaine,Y. Pach, M. Ruizと研究討論ができた. 5. 論文発表:専門誌や学会のProceedingsでの論文発表をした。現在,投稿中や執筆中の論文も近く投稿または出版予定である.
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