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2021 年度 実施状況報告書

グラフの部分構造の存在を保証する条件の関係性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K05262
研究機関近畿大学

研究代表者

山下 登茂紀  近畿大学, 理工学部, 准教授 (10410458)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワードグラフ理論
研究実績の概要

(1)昨年,太田氏(慶應義塾大学)と千葉氏(熊本大学)と共同研究を行い,「閉路の長さの分布」に関する1998年のBondyとVinceによる予想および2018年のMaらによる予想の共通の一般化となる結果を示した.2020年8月にこの結果を論文としてまとめて国際雑誌に投稿し,2021年8月にレフェリーレポートが届いた.その後3ヶ月かけて論文の修正を行い,11月末に太田氏と千葉氏とオンラインでの打ち合わせを行い,論文の修正版を完成させて12月に再投稿した.現在,審査結果待ちである.
(2)8月に千葉氏と津垣氏(東京理科大学)と数回に渡るオンラインでの共同研究を行い,1983年にVeldmanによって提起された予想に関する研究を行った.研究を進める中で,Veldman予想は1986年にFraisseによって解かれたと書かれている論文を発見した.その後の調査の結果,Fraisseによるその結果は雑誌に論文として発表されておらず,彼の博士論文にのみ書かれていることがわかった.そこで,Fraisseの博士論文をフランスから取り寄せた.彼の証明は複雑であり,千葉氏と津垣氏とオンラインでその証明の検証を行い,現在その解読を行っている.さらに,Veldman予想の一般化となる予想をたてて,その予想解決のための第一歩となる結果を証明し,論文にまとめて9月に国際雑誌に投稿して,2022年1月に採択された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的である「閉路に関するサーヴェイ論文の作成」に対して,本研究開始時に比べて,100ページ加筆している.
今年度は特にVeldman予想と関連がある「支配閉路およびその応用」に関する章の内容を拡充させ,それと並行してVeldman予想の一般化となる予想をたてて,関連する結果を示した.残念ながら予想の解決には未だ至っていない.

今後の研究の推進方策

(1) サーヴェイ論文の「支配閉路およびその応用」に関する章の内容を拡充させる一方で,研究実績の概要(2)で述べたVeldman予想の一般化となる予想を解決する.そのことで,この予想に関連する定理間の関係性について明らかにしたいと考えている.
(2) 3月に京都大学数理解析研究所で行われたRIMS共同研究において,成蹊大学の八島氏(共同研究者:津垣氏)が「2部グラフにおける指定された頂点を結ぶ道の長さの分布」に対する予想に関して発表していた.私は2部グラフに関する研究を行っていたこともあり,その共同研究に加わることになった.八島氏が所属する成蹊大学に出張して津垣氏も交えて,この研究を推し進めて予想の解決を目指す.

次年度使用額が生じた理由

(理由) 研究協力者である千葉氏が所属する熊本大学または太田氏が所属する慶應義塾大学に数回出張をする予定にしていたが,コロナのため出張が出来ず,研究が思うように進展しなかった.
(使用計画) 研究協力者である千葉氏が所属する熊本大学に,津垣氏とともに出張し,Veldman予想の一般化となる予想の解決を図る.八島氏が所属する成蹊大学に出張して,現在行っている研究を推し進める.謝金を払って,750を越える参考文献の整理,および200ページを越える論文の論文内容の精査およびタイプミスなどのチェックをお願いしようと考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Spanning Bipartite Graphs with Large Degree Sum in Graphs of Odd Order2021

    • 著者名/発表者名
      Chiba Shuya、Saito Akira、Tsugaki Masao、Yamashita Tomoki
    • 雑誌名

      Graphs and Combinatorics

      巻: 37 ページ: 1841~1858

    • DOI

      10.1007/s00373-021-02349-y

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公開日: 2022-12-28  

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