研究課題
データ収集技術の進歩により、非常に多くの説明変数を持つ(超)高次元データと言われるデータが様々な分野で数多く利用可能になり、その種のデータに対する統計解析手法の開発が極めて重要な課題になっている。従来は、第一段階として説明変数のスクリーニングを行うことで明らかに不要な説明変数を除き、第二段階として想定された統計モデルについて変数選択の一致性やオラクル性をもつ推定手法を用いるという形で統計解析を行っていたが、さらに近年では、高次元モデルのままで統計解析を行うdebiased(またはdesparsified) Lassoなどの手法の研究も、世界的には極めて盛んになっている。本研究では、線形回帰モデルの拡張として極めて重要な、変動係数モデル、加法モデルなどの構造をもつノンパラメトリックモデルに対するスクリーニング法の研究、変数選択について一致性を持つ推定法、高次元モデルに関する統計的推測に関して大きな研究成果を挙げてきた。具体的には、2017年度の医学統計分野で重要な超高次元Cox回帰モデルにおいて、変動係数モデルと加法モデルは統一的に扱った研究に続いて、近年大きく注目されている分位点回帰において、変動係数モデルからの部分線形変動係数の特定化、加法モデルからの部分加法モデルの特定化の問題を統一的に扱った研究成果を挙げ、一流学術誌(Bernoulli)に掲載予定となった。さらに、変動係数モデルに対するdebiased Lassoの研究についても、研究の方向性を見出し、今後の展開の基礎となるべき若干の研究成果を挙げ、ディスカッションペーパー(備考欄参照)にまとめて、国際学会でも研究発表を行った。
Toshio Honda,The de-biased group Lasso estimation for varying coefficient models,Discussion Papers #2018-04, Graduate School of Economics, Hitotsubashi University
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Bernoulli
巻: 印刷中 ページ: 印刷中