研究課題/領域番号 |
16K05274
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
黒岩 大史 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (40284020)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 集合値計画法 / 双対理論 / 埋め込み / 集合値写像 / 拡張凸性 |
研究実績の概要 |
集合値計画問題とは、実社会における多様な価値観を自然に表現することが可能な問題であり、数理計画問題、多目的計画問題からの拡張の流れとして、研究代表者によって導入されたものである。集合値計画問題の研究は、ゲーム理論、数理経済学などを始めとする種々の最適化理論の関連分野への新しいアプローチを持つものとして国際的に評価・注目されている。集合値計画問題を考察する際には、既に研究代表者によって導入されている「埋め込み手法」が重要な役割をなす。この手法を用いることで最適解や集合値関数にまつわる様々な概念を容易に扱えるため、この手法の有用性は高く評価されている。実際、双対理論の研究においてもこの手法は有用であり、理論面では結果が得られているものの、明確に表現することが困難であるため、集合値計画問題の双対問題は判りやすい形では表現されていない。従って、現時点では応用面での意義に乏しいものとなっている。このような状況を鑑み、本研究における目的は、集合値計画問題に対する双対問題の定式化、および双対理論の構築であり、実社会における各種問題に本結果を応用することである。そのため、当該年度においては、より一般的な集合順序に基づいた集合値計画問題とそのアルゴリズムの考察、DC関数を用いて表現される最適化問題に対する双対理論の考察、l 型および u 型の集合順序に基づいた集合値準凸関数の分類の考察、この準凸関数の分類に基づいた、集合値関数の凸性に関するCrouzeix型の特徴付けの考察、多目的robust問題の観察、および埋め込み空間の双対性についての考察を主として行った。これらの研究を行うため、国内外の関連分野の研究者との研究打ち合わせや意見交換を行い、研究を発展させた。また得られた結果は国内外に発表し、本研究に対する意見を広く求めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りの進展が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの結果を受け、今年度の計画および全体の目標を踏まえながら、研究を推進する。
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