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2017 年度 実施状況報告書

メタノールメーザーのゼーマン効果分光実験に基づく星間磁場の精密測定

研究課題

研究課題/領域番号 16K05293
研究機関富山大学

研究代表者

小林 かおり  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (80397166)

研究分担者 廣田 朋也  国立天文台, 水沢VLBI観測所, 助教 (10325764)
高木 光司郎  富山大学, その他の部局等(五福キャンパス), 名誉教授 (60018976)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードゼーマン効果 / メーザー / メタノール / 宇宙磁場 / 星間現象
研究実績の概要

星形成領域における偏波観測によりメタノールメーザーの分裂が観測されている。この原因として星間磁場によるゼーマン効果が考えられる。分裂幅から星間磁場を決定するためにはメタノールのゼーマン効果に関する実験室分光が必要であるが、先行研究では任意の遷移に関しての分裂幅を決めるパラメーターであるg因子が決定されていない。そこで、マイクロ波分光によって実験室標準として取得し、それらを利用した電波望遠鏡観測を目指した研究を行っている。
平成29年度はひきつづき約0.7 Tの強磁場下でのメタノール分子のマイクロ波分光を行い、その分裂のデータをさらに様々な周波数帯で測定した。内部回転およびシュタルク効果を取り込んだ実験結果の解析を進めている。一方で実験室分光の結果から相対的に分裂幅が大きいと期待される108 GHzのメタノールメーザーサーベイを野辺山45m電波望遠鏡によって観測した観測データについても解析が終了した。108 GHzメタノールメーザーは従来、限られた数の天体でしか見つかっていないが、線幅やピークのシフト等の検討から本観測では2天体が108 GHzメーザーの候補と明らかにすることができた。
実験室分光と野辺山45 m電波望遠鏡データの解析から偏波観測が可能となった電波望遠鏡ALMAによる観測提案を検討したが、現在の偏波観測では十分な感度がないため、次回(2019年のサイクル7以降)に観測を行えるよう、108 GHz、あるいはその他の周波数でのメーザーによる観測可能性を検討すること、ALMA以外の低周波数帯での観測について、国立天文台水沢VLBI観測所や米国電波天文台NRAOなど他の望遠鏡による観測も検討し、プロポーザル提出の準備を進めることが必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験、観測とも投稿論文の準備に入っている。

今後の研究の推進方策

電波望遠鏡ALMAでの偏波観測は現在は感度が不足しているため、将来的な観測に備えて、周波数108 GHz、あるいはその他の周波数でのメーザー観測可能性を検討すること、ALMA以外の低周波数帯での観測について、国立天文台水沢VLBI観測所や米国電波天文台NRAOなど他の望遠鏡による観測も検討し、プロポーザル提出の準備を進めることが必要である。既存のデータの再吟味も検討している。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度の国際会議出席の変更と当初よりも手作りの部分を増やしたことによる残額であり、平成29年度の旅費としての執行、平成30年度の物品、旅費等として利用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Disk-driven rotating bipolar outflow in Orion Source I2017

    • 著者名/発表者名
      10.Hirota, T. *, Machida, M. N., Matsushita, Y., Motogi, K., Matsumoto, N., Kim, M. K., Burns, R. A., Honma, M.
    • 雑誌名

      Nature Astronomy

      巻: 1 ページ: 146-1-5

    • DOI

      10.1038/s41550-017-0146

    • 査読あり
  • [学会発表] 野辺山45 m電波望遠鏡による108 GHz メタノールメーザーのサーベイ2018

    • 著者名/発表者名
      福島一晃、小林かおり、廣田朋也
    • 学会等名
      日本天文学会2018年春季年会
  • [学会発表] メタノール分子のマイクロ波ゼーマン効果 II2018

    • 著者名/発表者名
      高木光司郎,常川省三,小林かおり,廣田朋也,松島房和
    • 学会等名
      第18回分子分光研究会
  • [学会発表] Microwave Zeman Effect of Methanol2018

    • 著者名/発表者名
      Kojiro Takagi, Shozo Tsunekawa, Kaori Kobayashi, Tomoya Hirota, and Fusakazu Matsushima
    • 学会等名
      The 2nd Asian Workshop on Molecular Spectroscopy
    • 国際学会
  • [学会発表] High Resolution Observations of Orion Source I2018

    • 著者名/発表者名
      Hirota Tomoya
    • 学会等名
      High Mass Star Formation Workshop 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] Future KaVA+TNRT (or extended EAVN) for Star-formation Studies2018

    • 著者名/発表者名
      Hirota Tomoya
    • 学会等名
      NARIT- Key Science Workshop: Masers & Molecular Lines in Radio Astronomy
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] メタノール分子のマイクロ波ゼーマン効果2017

    • 著者名/発表者名
      高木光司郎,常川省三,小林かおり,廣田朋也,松島房和
    • 学会等名
      第17回分子分光研究会
  • [学会発表] Methanol maser survey at 3 mm band with the Nobeyama 45 m radio telescope2017

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Fukushima,Kaori Kobayashi,Tomoya Hirota
    • 学会等名
      NRO45m/ASTE Single Dish Science Workshop 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] ALMA observations of submillimeter H2O and SiO lines in Orion Source I2017

    • 著者名/発表者名
      Hirota, T., Machida, M. N., Matsushita, Y., Motogi, K., Matsumoto, N., Kim, M. K., Burns, R. A., Honma, M.
    • 学会等名
      IAU Symposium 336, "Astrophysical Masers: Unlocking the Mysteries of the Universe"
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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