銀河とはガスを星に転換しながら進化するシステムである。そこで、銀河内のガスをどのように星に転換して銀河構造を作っていくのか、どのような条件で星ができるのかという問題に、主に分子ガスの観点から調べた。銀河進化が最も活発であったと考えられる時代の、円盤銀河の進化過程を見ている可能性がある、「分子ガスクランプ銀河」の詳細な観測を行い、この銀河における分子ガスクランプの性質についての知見を得た。また、現在の宇宙における銀河を対象として、星形成効率が非常に悪い分子雲の性質について新たな知見を得た。この結果は、銀河形成進化の理論的研究で星ができ過ぎるという問題を回避するヒントになると期待される。
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