研究課題/領域番号 |
16K05306
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
朝木 義晴 国立天文台, チリ観測所, 准教授 (00332148)
|
研究分担者 |
中川 亜紀治 鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (60535631)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 赤色超巨星 / 質量放出 / 恒星光球面撮像 / サブミリ波干渉計 / ALMA望遠鏡 / 高角度分解能観測 |
研究成果の概要 |
太陽質量の8倍以上ある恒星は進化末期に赤色超巨星となり、質量放出により恒星中心部で生成された核融合物質を大量に宇宙へ放出していく。その物質は銀河の中で重力によって集まり、新たな恒星を生み、もしかしたら地球型惑星や生命の誕生につながるかもしれず、赤色超巨星の質量放出は宇宙の化学進化において極めて重要なプロセスに位置付けられる。赤色超巨星の質量放出を研究するにあたり、世界で最も優れた天体観測装置の一つであるALMA望遠鏡の最高解像度性能を引き出し、地球から3600光年離れた赤色超巨星「大犬座VY星」の光球のサブミリ波による撮像と、VY星から塵とガスが非等方的に放出される様子を捉えることに成功した。
|
自由記述の分野 |
電波天文学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤色超巨星の質量放出は、中小質量星の進化末期段階である漸近巨星分岐星(AGB)の延長線上で議論されることが多く、その質量とサイズがAGB星とは桁で異なるため3次元流体力学シミュレーションすらも難しい現象であり、その理解はAGB星と比較して相対的に不足している。RSGにはAGB星とは明らかに異なる「間欠的な質量放出」の特徴が潜むことがこれまで見過ごされており、本研究成果はRSGの質量放出機構を大きく見直す機会となる。また、本研究の過程において行ったALMAのサブミリ波最高角度分解能性能実証により2021年からの一般観測でその性能が利用可能となり、サブミリ波天体物理研究への波及効果は極めて大きい。
|