研究課題
4次元N=2超対称ゲージ理論におけるインターフェースのエントロピーに関する論文を発表した。2次元での結果との類似から、4次元での特別なインターフェース(Janus インターフェース)に付随するエントロピーが Calabi's diastasis と呼ばれる関数で与えられることを2018年の論文で研究代表者たちは予想しホログラフィックな計算による証拠を与えていた。新たに執筆した論文で、この予想を共形場理論の方法と超対称局所化の方法を組み合わせて、ある弱い広く受け入れられた仮定のもとで証明した。また4次元N=2超対称ゲージ理論の't Hooft line 演算子に関する研究を行なった。研究代表者たちは2011年にこの演算子のS1xR3上での相関関数の局所化を定式化したが、近年この結果は注目を集め、複数のグループがさらに発展させている。研究代表者は、Rutgers大のグループたちが提唱した超対称量子力学による計算法を取り上げ、超対称量子力学における壁越え現象が演算子の順序の入れ替えに対応することを発見し論文を執筆した。またこの結果を3次元N=4超対称ゲージ理論に拡張する論文を執筆した。3次元の論文については、ヨーロッパのグループが類似の研究を行なっていることが事前に分かり、友好的な競争となった。さらに3次元N=2超対称ゲージ理論の計算に動機付けられて、理論が多様体のスピン構造に依存するような level を持つ場合の U(1) チャーン・サイモンズ理論と、それのエッジ理論である2次元コンパクト・ボゾンの共形場理論を調べた。物性理論での最新の知見であるフェルミオニックなSPT相の理論を応用することで、共形場理論の分配関数、チャーン・サイモンズ理論のモジュラー行列、レンズ空間分配関数のスピン構造依存性を得た。複数の国際研究会や国内外学術機関のセミナーで招待講演を行なった。
Preprint arXiv:1910.01802: T.Okuda, Y.Yoshida,Preprint arXiv:2005.03203: T.Okuda, K.Saito, S.Yokoyama,Preprint arXiv:2005.10833: K.Goto, L.Nagano, T.Nishioka, T.Okuda
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
Journal of High Energy Physics
巻: 1910 ページ: 45
10.1007/JHEP10(2019)045
巻: 1911 ページ: 116
10.1007/JHEP11(2019)116