原子核を構成する陽子や中性子を始めとする、ハドロンと呼ばれる強い相互作用をする粒子の性質を、物質の基本的な構成要素が素粒子ではなくひもであるとする超弦理論を用いて解析することを可能にするホログラフィックQCDと呼ばれる理論的な枠組みの基礎を整備するための研究を行った。特に、クォークを3種類以上取り入れると、観測されているバリオンの性質をうまく再現できないという問題が2007年ごろに指摘されたが、本研究によって解決され、取り入れるクォークの数がいくつであっても、矛盾なくバリオンを解析できる枠組みが確立された。また、バリオンの励起状態を包括的に解析する新しい枠組みも与えた。
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