基本理論の有力な候補である超弦理論によると、我々の宇宙はバブルの生成によって出来たことが示唆されるが、そのような宇宙の起源が現在の宇宙に与える影響について、これまではっきりした提案は無かった。また、現在の宇宙の加速膨張を支えるダークエネルギーの起源は未解明である。本研究は、この2つの難問を結び付けている点で意義があると考える。ブラックホールは、温度とエントロピーを持った熱力学的物体であることが知られているが、微視的構成要素が何なのかは明らかでない。超弦理論から示唆されるDブレーン理論からブラックホールの性質を導くことができれば、ブラックホールが情報を担う機構の理解につながり、大きな意義がある。
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