研究課題/領域番号 |
16K05331
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
太田 信義 近畿大学, 理工学総合研究所, 研究員 (90167304)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 量子重力理論 / くりこみ群 / 漸近安全性 / 宇宙項問題 / unimodular gravity |
研究実績の概要 |
今年度は、目標としている重力の量子論とその応用、検証に関して以下のような成果を得た。
重力の量子論を定式化するのにくりこみ群を使う方法で、重力が非摂動的にくりこみ可能であることを検証するためには、理論をどの範囲までにかぎるべきかをきちんと調べておくことは重要な課題の一つである。これに関して、一般の背景場の下で2次までの高次曲率項をいれて調べた結果、それが3つの演算子に限られるという結果を昨年得たが、それをさらに完全なものにする方向で進展があった。しかし、共同研究者と直接会って、論文としてまとめる所までにいたっていないところが残念である。来年度には達成したい。これは今まで誰も調べておらず重要な結果と考えている。また、漸近的安全性による量子重力理論の結果を、電荷を持つReissner-Nordstromブラックホールに適用して、その中心にある特異点が解消される可能性を指摘した。これは漸近的安全性による重力の量子論の数少ない物理的応用例であり、面白くて重要な結果であると考える。さらに、宇宙観測から非常に小さな宇宙項があることが分かっているが、一般相対論ではそれを説明することが難しい。これを説明できるunimodular 重力という理論が考えられたが、それが一般相対論と一致することについて、今まで数多くの議論反論がなされてきた。私は、unimodular重力の共変的な量子化を考案し、それが一般相対論と一致することを示した。 以上の成果を、国際研究集会などで計6回発表したが、1回の例外を除いて、すべてオンラインの発表しかすることが出来ず、会議に直接参加して議論したり、また共同研究者と直接議論できなかったことが大変残念である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ある程度の成果はでているが、コロナのため、最終的な打ち合わせのために共同研究者を訪問して、成果を論文にすることが出来ていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はおそらくイタリアを訪問して共同研究者と直接話し合ったり、議論することが出来ると思われるので、最終的な詰めを行って、成果として発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度もコロナのため予定していた共同研究のための海外渡航が全く出来なかったため、次年度使用額が生じた。次年度には是非、共同研究を実現したいと考える。
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