キリングテンソル場は時空の隠れた対称性を記述するテンソル場である。なぜなら,キリングテンソル場と測地線方程式の保存量との間には1対1の対応があるからである。古典力学の多くの問題は,曲がった時空上の測地線方程式を解く問題に帰着することが知られている。したがって,キリング方程式の可積分条件を求めることは力学系を調べる上できわめて重要な問題である。本研究において,私たちはキリング方程式の「延長」(prolongation)をヤング図形を使って定式化した。延長された方程式の解は、ある種のベクトル束上の平行切断と見ることができる。このことを使って,キリング方程式の可積分条件を陽に書き下すことに成功した。
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