研究実績の概要 |
(1) 2フレーバーパリティ2重項模型を用いた解析: (1-1)文献[1]の模型を用いて原子核のスピン軌道相互作用を解析し、実験値が再現されることを確認した。(1-2)デルタ粒子も含めた模型を構成し、高密度状態でのデルタ物質の存在可能性を示した。(論文準備中)(1-3) 文献[1]の模型に含まれる中間子のスペクトル解析の準備を進めた。(1-4)文献[1]の模型を2 種類のパリティ2 重項を含むように拡張し、質量・崩壊幅の解析を進めた。 文献[1] Y. Motohiro, Y. Kim, M. Harada, Physical Review C92, 025201 (2015) (2) 3フレーバーパリティ2重項構造を持つ模型の構築: (2-1)ハイペロンを含む模型を構成し、質量・崩壊幅・軸性電荷の実験値を再現するパラメータセットがあることを見いだした。(2-2) 核物質中でのベクトル型中間子の解析: ω・φ中間子を含む模型の構成、及び、スペクトル関数解析の準備を進めた。 (3) 核物質中でのチャームクォークを含むハドロンの性質変化の解析: (3-1) D中間子とスカラーD中間子をカイラルパートナーとして含む有効模型を用い、平均場近似での質量の密度依存性を解析した。パートナー間の質量差等のカイラル対称性回復に伴う変化を明らかにした。(論文投稿中)(3-2)スカラーD中間子スペクトル関数を解析し、カイラル対称性の回復に伴うスペクトル関数の変化を明らかにした。(論文投稿中)(3-3) Σcバリオンと負パリティΛcバリオンをカイラルパートナーとして含む模型を構成し、質量・崩壊幅の解析を実施した。 (4) 2種類のスカラー中間子を含む有効模型の整備: 2クォーク型と4クォーク型の両方を含む有効模型の構築に向け、スカラー中間子の質量・崩壊幅の解析を進めた。
|