研究実績の概要 |
以下の番号は、交付申請で付けた項目番号に沿っている。 (5) 2フレーバー・パリティ2重項模型を用いた解析: 文献[1]の模型に基づいて次の解析を実施した。(5-1) 28年度のデルタバリオンを含む核物質の解析を継続し、デルタバリオンの出現は、核物質中のカイラル対称性の部分的回復を加速するが、カイラル対称相への相転移密度を上昇させることを示した。(論文投稿中) (5-2) 文献[1]の模型を用いた解析により、高密度核物質中にこれまでにない新しい型の非一様カイラル凝縮相が存在する可能性を見いだした。(論文投稿中)(5-3) 文献[1]の模型を拡張し、2種類の2重項を含む模型を構成し、実験との比較を始めた。文献[1] Y. Motohiro, Y. Kim, M. Harada, Physical Review C92, 025201 (2015) (6) 3フレーバー・パリティ2重項構造を持つ模型の整備: ω中間子・φ中間子の核物質中でのスペクトル関数の解析の準備のため、真空でのω・φ混合の解析を始めた。 (7) チャームクォークを含むハドロンの解析:チャームクォークを含むΛc及びΣcバリオンに対してカイラル対称性に基づく有効模型を構成し、真空での質量・崩壊幅を解析した。そして、ハドロン崩壊の分岐比や光子放出崩壊でカイラル対称性構造が確認できることを明らかにした。(論文投稿中) (8) 2クォーク型と4クォーク型の2種類のスカラーを含む有効模型の整備:真空における質量・崩壊幅の性質を再現する模型構成を進めた。崩壊幅を再現するためには、微分型結合を取り入れることが必要であることを明らかにした。
|