中性子星のコアは極高圧の状況下で、極めて高密度の物質が存在する。そこでは、中間子凝縮相、カラー超伝導など、多種の物質相が提案されている。本研究では、その可能性の1つであるカイラル結晶相に着目し、中性子星に存在する磁場など環境変数を含め、その発現条件について検討を行なった。具体的に実施したのは次の2つである。 1)飽和核物質を再現するパリティ二重項核子モデルを採用し、低密度側からカイラル結晶相にアプローチし、標準核密度の5倍程度で結晶相への転移が起こることを示した。 2)QCDの三重臨界点からカイラル結晶相にアプローチし、任意強度の磁場によって双対カイラル密度波が安定化されることを示した。
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