現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2016年2月11日に発表された世界初,アメリカのAdvanced LIGOによる重力波の直接観測(イベント名:GW150914,B. P. Abbott et al. [LIGO Scientific and Virgo Collaborations], Phys. Rev. Lett. 116, 061102 (2016))により,本研究に関連する分野は,世界的に加速している. このGW150914は,太陽質量の30倍程度の2つのブラックホールが合体する際に放射された重力波と同定された.本研究の研究課題「連星ブラックホールからの重力波による一般相対論の多角的な検証法の確立」に対するゴールデンイベントと呼ばれるべきものである.実際,このイベントとその後のGW151226(B. P. Abbott et al. [LIGO Scientific and Virgo Collaborations], Phys. Rev. Lett. 116, 241103 (2016))を用いて,LIGOとヨーロッパのVIRGOの共同グループが一般相対論の検証を進めており,現在までのところ,一般相対論の予言とデータは無矛盾であることが示されている(B. P. Abbott et al. [LIGO Scientific and Virgo Collaborations], Phys. Rev. X 6, 041015 (2016)). また,平成29年度以降の研究計画として挙げていた,連星ブラックホールからの重力波の「インスパイラル」と「リングダウン」のパラメータを関連付けるのフィッティング公式は,(F. Hofmann, E. Barausse, L. Rezzolla, Astrophys. J. 825, L19 (2016))により精度の高いものが用意された状況である.
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