本研究では、カーブラックホール時空中を運動するスピン粒子から放出される重力波とその軌道への影響を評価した。赤道面円軌道で中心ブラックホールと粒子のスピンの向きが揃っている場合に、重力波によるエネルギー放出量をポストニュートン6次精度まで導出した。その結果をもとに、軌道位相のスピンによる補正を評価した。さらに、重力波の計算を、赤道面に対して軌道面及び粒子スピンが少し傾いている場合に拡張した。重力波振幅とエネルギー放出量に対するポストニュートン公式を4次精度まで導出し、スピン-軌道相互作用が重力波の変調と軌道の永年発展に及ぼす影響について評価した。
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