宇宙初期と後期に,加速的な宇宙の膨張が起こったことが観測的に示唆されており,それらの根源的な問題を解決するために,一般相対論とそれを拡張した理論における有効な模型を構築した.特に,スカラー場もしくはベクトル場によって加速膨張を起こす模型を新たに構築し,それらの観測的な兆候を詳細に調べた.2017年に得られた重力波の新たな観測データから,後期加速膨張の模型の選別を行い,様々な観測と無矛盾な模型の絞り込みを行った.特に拡張重力理論において,標準的な宇宙項模型よりも観測的に好まれる模型の構築をベクトル場を用いて行い,暗黒エネルギーの起源に迫る上で重要な示唆を与えた.
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