研究課題/領域番号 |
16K05369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 英斉 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (30376529)
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研究分担者 |
早川 勢也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (00747743)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 宇宙核物理 / 不安定核 / 宇宙ガンマ線 / 天体核反応 / 核異性体 |
研究成果の概要 |
銀河の中心方向からやってくるエネルギー1.8 MeVのガンマ線は、アルミニウム(Al)-26原子核の崩壊に由来する。ところが、Al-26が銀河の中でどのような天体で生成されているのかは、未だ明らかではない。Al-26には基底状態とアイソマーと呼ばれる2種類が存在するが、それぞれの生成・破壊反応が十分に知られていないためである。 本研究では特に、実験に使用するのが困難なAl-26アイソマーを、低エネルギービームとして生成することに成功した。さらに、アイソマービームを用いて、陽子共鳴散乱の実験手法により共鳴を発見した。この共鳴の情報を使えば、今後アイソマー破壊反応の定量的評価が可能となる。
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自由記述の分野 |
実験核物理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
銀河からのAl-26由来ガンマ線観測は、銀河の中で今まさにどのような元素合成が行われているか、またドップラーシフトによって銀河がどのように運動しているかを理解するための有益な情報である。ところが、現在の観測による銀河のアルミニウム-26の生成量と、各種天体のシミュレーションによる生成量の総計には、大きな食い違いがある。本研究により、Al-26のアイソマービームを生成し、その破壊反応に関する直接的情報が初めて得られた。今後食い違いの解消と銀河の精密な理解に結びつくと期待できる。 また、本研究で確立したアイソマービーム生成技術は、将来工学的応用が可能な技術と考えられる。
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