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2016 年度 実施状況報告書

大型液体キセノン検出器における効率的バックグラウンド削減の為の充填液体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K05370
研究機関東京大学

研究代表者

小川 洋  東京大学, 宇宙線研究所, 特任助教 (20374910)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード素粒子実験 / 低温物性 / 暗黒物質 / 極低バックグラウンド / 光検出器
研究実績の概要

次期またはそれ以降のXMASS実験における暗黒物質探索において、感度向上のための手法を用意しておきたい。手法の一つとして、検出器表面付近を液体の充填液体によって満たし、暗黒物質からの事象の反応する液体キセノン領域と分ける。これにより検出器表面からのバックグラウンド事象を、有効体積内事象として間違われるのを防ぎ、暗黒物資探索の感度が上がることが期待される。この充填液体は、真空紫外光を透過することと、液体キセノン温度(-100℃)において液体であること、耐物性、低バックグラウンドなのが要求される。本研究はこの充填液体の選定と、性能の評価を実施する。
液体キセノンは低バックグラウンド実験において、シンチレータとして、暗黒物質探索だけでなく、ニュートリノ観測等にも大変有望であり、将来における検出器の大型化における性能の向上のためにも、本研究は重要であると考える。
平成28年度における本研究として大きく2つの進捗があった。まず1つは充填液体の候補として、フロリナートを選定した。この液体は-100℃の低温における使用実績がある無色透明の液体である。もう1つは真空紫外光透過試験用チェンバーの製作が開始されたことである。比較的安価なスターリング冷凍機や、石英セル等が購入された。真空チェンバーの設計も進んでおり、本年度中に製作の予定している。
また、充填液体を検出器表面に入れることで暗黒物質探索感度がどれほど向上するかの検証を実施する予定である。そのための検出器シミュレーションを製作中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度計画では液体キセノン+充填液体によるテストチェンバーの設計及び製作を実施する予定であった。設計及び物品購入の一部は順調に実際されているが、製作には至らなかった。平成29年度に早速製作を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

平成29年度にテストチェンバーの製作を早速実施する予定である。その後、真空紫外光透過試験を実施する。
充填液体について、いきなり真空紫外光透過試験を実施するのではなく、まずは、200nm以上の領域における透過度を吸光光度計で測定する実験を挟む予定である。
充填液の純化システムの製作を実施する。純化用カラムとしてはモリキュラーシーブス5A,及び活性炭となる。ダイヤフラムポンプ等、純化システムの製作を実施する。
また、充填液をゲルマニウム検出器による放射性不純物測定も合わせて実施する。
同時に、検出器シミュレーションによる暗黒物質感度向上を見積もる予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度はテストチェンバーの製作には至らず、その製作費の未使用が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成29年度においてはテストチェンバーの製作とともに、純化システムの製作を実施することで、次年度使用額を含めた予算を、適切に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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