研究課題
平成29年度は2012年3月5日のイベントを中心に、8年間の宇宙ステーションでの観測結果をまとめてSolar Physics (2017) vol292 page 115に出版した。またかねたからの懸案であった、2011年3月7日のflareに伴う、太陽からの高エネルギーガンマ線と中性子線の観測結果を解釈するために、モンテカルロ・シミュレーションを実施した。 その結果、メキシコ高山やハワイのマウナケア山頂、及びTibet高原に設置された太陽中性子望遠鏡の信号と連動して太陽中性子が受信されていることがわかり、この結果がモンテカルロ・シミュレーションの予測と合致することが判明したので、現在雑誌に投稿し、審査を受けている。また2012年6月3日には極めて短時間に1000倍X線の強度が増大したイベントが見つかった。このフレアに対してFERMI-LAT衛星や宇宙ステーションい搭載した中性子観測装置SEDA-FIBが中性子信号を受信した。きわめて特殊なイベントであったが、モンテカルロ・シミュレーションの結果は加速された陽子がヘリウムイオンとうの原子核が主成分であれば説明可能であることを示したので、現在まとめて投稿準備中である。また2017年9月に太陽活動極小期では非常に珍しい巨大な太陽フレアが発生した。宇宙ステーションに搭載した、SEDA-FIBは衛星が太陽からの信号を受信可能なday zoneにあるフレアにあ値してすべて、中性子の信号を観測した。このイベントの解釈は2018年度の課題であるが、それぞれのフレアがかなり異なっている多彩なイベントが得られた。
2: おおむね順調に進展している
当初の目的であった、宇宙ステーションのおける太陽中性子の観測成果の中間発表ができた。これらの成果は韓国釜山市で開催された第35回宇宙線国際会議の太陽物理のsessionで口頭、及びポスターにて公表した。また懸案であった2011.3.7イベントと2012.6.3イベントの論文化も、 GEANT4の基づくモンテカルロ計算の結果がでてきたので、出版できる状態になり、順調に進行している。2011.3.7イベントの方は、すでにAstro particle Physics誌に投稿中であり、現在審査を受けている状態である。また2017年9月のフレアに伴う信号は、予想を超える成果でありいわば"ボーナス"であると考えている。
今年度は2011.3.7 イベントと 2012.6.3 イベントの公式な発表(レフフリー付論文へ)をまず前半の目標としている。ついで2017年9月の”ボーナス”イベントについての解析を後半にすすめ、これらの成果を日本物理学会や12月に米国で開催される地球物理学会(AGU meeting)で発表したいと考えている。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件)
Solar Phyics
巻: 292 ページ: 115-131
10.1007/s11207-017-1135-y
Proceeding of Science of the 35th ICRC
巻: 1 ページ: 1-8
PoS(ICRC2017)136
PoS(ICRC2017)116
PoS(ICRC2017)115
PoS(ICRC2017)084