真空放電現象の一つの要因として、陽極側で発生する電子刺激脱離による放出ガスが一定の割合でイオンとして放出される現象が深く関わっている可能性を提唱し、加速器用電子銃を用いた高電圧試験において実験的にそのモデルに矛盾がないことを示した。 電子刺激脱離で放出されるガスとイオンの比を定量的に測定するための装置を電界シミュレーションおよび荷電粒子トラッキングシミュレーションを用いて設計し、電子刺激脱離で発生する100eV以下相当のイオンを9割相当検出できる電極、検出器配置を決定した。また、電子刺激脱離をコーティングによって抑制する試みとして試験電極コーティング装置を製作し、次の放電抑制実験の準備を進めた。
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