本研究では、中性子過剰領域の銅同位体75Cu励起状態の核磁気モーメント測定実験を行った。理化学研究所RIBFにて行った実験では、独自に開発してきた分散整合二回散乱法によるスピン整列RIビームを用いることで、30%という非常に高いスピン整列度を持つ75Cuビームの生成に成功し、75Cuの励起状態の核磁気モーメント測定に成功した。本実験で得られた核磁気モーメント測定値を最新の理論計算と比較した結果、75Cuは変形したコアの周囲をバレンス陽子が周回している描像でよく記述できることが明らかになり、さらに中性子過剰銅同位体における変形の効果を取り入れた殻進化の描像を提示した。
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