量子コンピュータの基本的な媒体となる量子もつれ光子対は,励起子分子の輻射崩壊により生成される.励起子分子の輻射崩壊による遷移先には,表面励起子ポラリトンが含まれる.しかし,表面ポラリトンに遷移すると光子は外部へと取り出すことができないので,もつれ光子対は生成されない.そこで,もつれ光子対が生成できる過程とそうでない過程について遷移確率を計算した.その際に必要な表面ポラリトンの状態(光子成分と励起子成分の重み)はこれまで計算されていなかったが,本研究で初めて定量的に計算できた.以上の結果も利用することにより,量子もつれ光子対の生成効率に対して,最適な膜厚が存在することを明らかにした.
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