磁気秩序と強誘電分極が共存するマルチフェロイック物質は新しいメモリーデバイスとして期待されている。室温で顕著なマルチフェロイック特性を示すBiFeO3に対して、我々が見出した不揮発性の電気磁気メモリー効果を追求し、この分野で長年追い求められてきた強磁性と強誘電性の共存状態と、その外場制御を実証した。 また磁気秩序を伴わない電気磁気効果の微視的起源を調べるため、この機構の標準的物質であるBa2CuGe2O7という物質の強磁場電気磁気効果の測定を行うとともに、超音波伝達の測定を行った。その結果からこの量子スピン物質において銅イオンと酸素イオンの軌道混成の磁場制御が重要であることを明らかにした。
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