研究成果の概要 |
本研究の目的は、基底一重項量子磁性体における圧力誘起秩序相の磁気構造及び相転移点近傍における臨界現象を実験的に明らかにすることである。我々はCsFeCl3の圧力下中性子回折測定を行い、励起ギャップが消失するPc(~0.9 GPa)以上の圧力領域において(1/3, 1/3, 0)付近で新たなBraggピークが出現することを明らかにした。詳細な磁気構造解析の結果、伝播ベクトルが(1/3, 1/3, 0)であり、ab面内で120°構造を形成していることが分かった。得られた臨界指数β = 0.24(1)はXY型の三角格子模型で理論的に予想されるβ = 0.253と非常に近い値である。
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