鉄系超伝導体FeSe(超伝導転移温度Tc = 8 K)にアルカリ金属とエチレンジアミンまたは2-フェニルエチルアミンをコインターカレートすることで、大きなFeSe層間距離を持つTc = 39 - 45 Kの物質合成に成功した。このTcの上昇は、ネスティングの改善によるスピン揺らぎの増強によるものであり、超伝導電子対形成にはスピン揺らぎが寄与していると結論した。 他方、遷移金属ダイカルコゲナイドMoSe2,TiSe2において、コインターカレーションを用いて多くの新規超伝導体の合成に成功した。この超伝導の発現は、状態密度の上昇とフォノンのソフト化による電子格子相互作用の増大が寄与していると結論した。
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