近年我々のグループで発見したα''-(BEDT-TTF)2Rb1.2Co(SCN)4はRbの組成ずれのためBEDT-TTF分子が0.4価(π電子バンドのフィリング0.8)となる強相関π電子系では珍しい系であり、フィリング制御型の金属ー絶縁体転移の研究に適している。我々は、この系および類似の系で引き起こされる金属ー絶縁体転移の起源やそのフィリングの効果、さらにはπーd電子間相互作用等について調べた。その結果、絶縁体相は分子価数が0.4を平均とする電荷秩序であること、圧力下では室温でも金属から半導体へ相転移することなどを発見した。
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