(1)相対論的マルチバンドk.p理論に基づき,g因子およびスピン分裂因子Mの一般公式を導いた.得られた公式をPbTeおよびSnTeに適用し,PbTe側ではM<1, SnTe側ではM>1となることを示した.このことから,スピン分裂変数を測定すれば,バンド反転(トポロジカル転移)がバルク測定で検証できることを提案した.また,Mを測定すれば,系のトポロジーが決定できることも示した. (2)スピン軌道結合が強い系に共通するハミルトニアンにおいて,その表面状態の厳密解を得た.これを元に,表面状態におけるトポロジーの違いが,薄膜では判別できないことを示した.
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