温度や圧力によって希土類イオンの価数が変化するSm、Yb、Eu化合物を主に核磁気共鳴(NMR)とx線吸収分光測定によって研究した。実験は高圧や強磁場、またNMR観測可能な同位体で試料を濃縮する、など独自な手法の導入によって実現し、例えばSmB6における局在-非局在性の二重性の観測や、YbXCu4 (X=Cu and Ag)における異なる二つの局所混成の存在、などこれまでにない新たな成果に結びつけた。加えて、5f電子を有するURu2Si2についてf電子の局在-非局在転移を明瞭に観測することにも成功し、この物質が示す「隠れた秩序」の機構について議論した。
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