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2018 年度 実績報告書

破壊現象の非平衡ダイナミクスと統計力学的性質

研究課題

研究課題/領域番号 16K05473
研究機関大阪大学

研究代表者

湯川 諭  大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20292899)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード乾燥破壊 / 統計的性質
研究実績の概要

本年度も昨年度に引き続き、まずは乾燥破壊現象の統計則に関連して、メゾスケールモデルの確率モデルの研究を行った。昨年度からの課題であったシステムサイズ依存性と臨界現象の関係を明らかにすべく集中して解析を行った。その結果、散逸パラメータを連続的に変化させていくと、臨界現象で見られる臨界指数が連続的に変化していく様子が一部解明されたが、散逸パラメーターのある極限値で予測されるボンドパーコレーションの普遍クラスとしての振る舞いは依然不明瞭なまま残されている。この状況を打開すべく、まだ予備的な段階ではあるが、成果を学会で発表し、多数の臨界現象の専門家と議論を行った。この結果、解析のヒントを得ることが出来たが現在まだ完了していない。また乾燥破壊現象に関連して共同研究を行っており、別のタイプの確率モデルやフェーズフィールド法に基づくモデルによる破壊現象における統計力学的性質の研究成果を学会発表した。
さらに破壊現象の非平衡物理として共通点がある河川のネットワークのパターンに関する研究を始めた。河川のネットワークは、陸地が降水によって削られ成長するネットワークであり、破壊現象のひび割れと類似性がある。そのようなネットワークに対してまずは統計的性質を調べるため、ある特殊な環境下で調べられていた分岐角度の分布に注目し、日本全土で研究を行った。その結果、日本全土でも地質など特別な条件によらずある普遍的な分布法則を示していることが明らかになった。この成果は論文として出版した。さらに、その普遍的な性質を理論的に解明するため数理モデルを構成し、シミュレーションを通じて研究している。その成果は一部学会にて報告した。また現在は降水条件依存性と普遍性の関係を明らかにすべく別の数理モデルを構成し研究を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Bifurcation Angle Distribution in the Japanese River Network2019

    • 著者名/発表者名
      Yukawa Satoshi、Watanabe Takeru、Hara Kenji
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 88 ページ: 024901~024901

    • DOI

      10.7566/JPSJ.88.024901

    • 査読あり
  • [学会発表] Cellular Braided-stream model による河川成長、及びその分岐角度分布2019

    • 著者名/発表者名
      高谷慧, 渡辺壮流, 湯川諭
    • 学会等名
      日本物理学会 第74回年次大会
  • [学会発表] 流路の樹状ネットワークの自己組織化モデルにおける合流角度について2019

    • 著者名/発表者名
      渡辺壮流, 高谷慧, 湯川諭
    • 学会等名
      日本物理学会 第74回年次大会
  • [学会発表] 乾燥破壊現象の確率モデル2018

    • 著者名/発表者名
      湯川諭
    • 学会等名
      2018年日本物理学会秋季大会
  • [学会発表] Morphological properties of surface crack patterns due to volumetric shrinkage2018

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi Ito, and Satoshi Yukawa
    • 学会等名
      2018 AGU Fall Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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