研究課題
1.去年本科研費で購入した計算機(Xeon Phi 7250)でFFTにより新しい時間依存密度汎関数計算方法を順調に開発した。計算コード基底状態の計算,Poisson方程式と時間発展の部分は完成し,日本で一番速いスーパーコンピューター(Oakforest-PACS [OFP])で計算すると,ペック性能の4割くらい利用できた。2.新計算方法で強レーザー場における原子多重電離過程を調べた。従来の実験結果と理論計算によって,レーザー強度上げると,二重電離の割合も上げる。我々の計算結果によると,ある強度の領域でレーザー強度下げると,二重電離の割合が上げる。この異常な現象をスペインの実験グループに報告して,実験でこの現象が確認された。本研究は国際共同研究の成果として,Physical Review Aに発表した。3.ウィン工科大学と筑波大の矢花一浩教授の研究グループで大規模な計算により,強レーザー場を固体に照射すると高次高調波の生成メカニズムを解明した。特に理論計算で得られた高次高調波と実験測定された高次高調波比べる時,たくさんの強度の寄与を考慮しないといけないことを明らかになった。この研究結果はPhysical Review AのRapid Communications に発表した。4.ウィン工科大学の共同研究者が反陽子とヘリウム原子の衝突によってエネルギーの損失について計算するとき,異常な入射エネルギーの依存性が見つかった。その依存性を確認のために私と連絡して,我々の計算手法で反陽子とヘリウム原子の衝突によってエネルギーの損失について計算するとき,異常な入射エネルギーの依存性は計算収束の原因と確認した。先方は我々のような大規模な収束計算を行った。予測な入射エネルギーの依存性を再現できた。共同研究の結果を論文に取りまとめている。
2: おおむね順調に進展している
(1)本科研費で購入した計算機(Xeon Phi 7250)を全力利用することと筑波大学計算科学センターのスーパーコンピューターCOMAの利用すること(2)国際の共同研究者の共同研究で最新情報を把握した。(3)国際会議に参加し、他国の研究者との交流と最新情報を収集した。
(1)今開発しているFFTで新時間依存密度汎関数計算法を改善し,特に,Surface Fluxの方法を利用して,外に電離された電子の詳しい情報を計算できるコードを開発すること。(2)従来,原子に対して有効な計算コードを日本で一番速いスーパーコンピューター(Oakforest-PACS [OFP])への移植し,楕円偏光や2色円偏光強レーザー場における原子過程を大規模な計算で新物理現象を調べること。(3)完成した新しい計算コードで、アト秒レーザーと強赤外線レーザーにおける酸素分子の動的過程の解明すること。
中国での国際会議参加する費用を見込んでいたが,招待講演者として先方負担になったため。この予算は次年度アメリカ物理学会と2017年アメリカ物理学会のフェローの受賞式に参加のために使用する。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Physical Review A
巻: 97 ページ: 011401(R):1-5
10.1103/PhysRevA.97.011401
巻: 96 ページ: 033401:1-7
10.1103/PhysRevA.96.033401
J. Phys. B
巻: 50 ページ: 172001:1-17
10.1088/1361-6455/aa8243
巻: 50 ページ: 144004:1-6
10.1088/1361-6455/aa77a0
巻: 95 ページ: 012501:1-7
10.1103/PhysRevA.95.012501