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2017 年度 実績報告書

極低温原子の2体ダイナミクスとブロッケード温度計

研究課題

研究課題/領域番号 16K05498
研究機関東京工業大学

研究代表者

井上 遼太郎  東京工業大学, 理学院, 特任准教授 (20708507)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード量子エレクトロニクス
研究実績の概要

平成29年度は,(1)フェルミ粒子系への拡張(2)光格子ポテンシャルの精密制御の2つをそれぞれ実現することを目標として研究を行い,以下に示す成果を得た.
(1)フェルミ粒子系への拡張
本研究で実現する温度測定の対象は,光格子中の極低温イッテルビウム原子集団である.平成28年度までの研究はもっぱらボソン系を対象としていたが,29年度からはこれをフェルミ粒子系に適用することを試みた.イッテルビウムのボソン/フェルミオン同位体間における顕著な違いはスピン自由度であるが,我々の量子気体顕微観測技術の独自性は,このような差異によらず安定に機能することが期待される点にあった.いくつかの技術的な困難を解決し,期待したとおりの頑強性を実証することができた.
(2)光格子ポテンシャルの精密制御
これまでの研究で利用してきた光格子系は,光の定在波を利用したもっとも単純な構成であった.したがって,理想的な周期ポテンシャルに大域的な調和振動子ポテンシャルによる勾配が重畳した構成となっていた.これまでの研究ではこの勾配を有効利用することで温度測定を実現しているが,今後の量子シミュレーション研究のためには,積極的に制御したポテンシャル勾配のもとでの系統的な測定が求められると考えられる.そこで,光強度の空間分布が任意に制御可能な別の光を新たに導入することで,これを実現しようと試みた.今年度は,光源および,強度の空間分布を制御するためのデバイスを準備した.原子系に導入する前段階として,所望の制御が実現できることを光強度分布の直接測定によって確認した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Site-resolved imaging of a bosonic Mott insulator using ytterbium atoms2017

    • 著者名/発表者名
      Martin Miranda, Ryotaro Inoue, Naoki Tambo, Mikio Kozuma
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: 96 ページ: 043626

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevA.96.043626

    • 査読あり
  • [学会発表] 173Yb原子系におけるMott絶縁体相の実空間観測2018

    • 著者名/発表者名
      井口賢人, 高木將登, ミランダマルティン, 井上遼太郎, 上妻幹旺
    • 学会等名
      日本物理学会第73回年次大会
  • [学会発表] Noncooled site-resolved imaging of a Mott- insulator2017

    • 著者名/発表者名
      M. Miranda, R. Inoue, N. Tambo, K. Iguchi, M. Takagi, M. Kozuma
    • 学会等名
      International Conference on Laser Spectroscopy 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] Noncooled site-resolved imaging of a Mott- insulator2017

    • 著者名/発表者名
      R. Inoue, M. Miranda, N. Tambo, M. Kozuma
    • 学会等名
      Bose-Einstein Condensation 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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