| 研究課題/領域番号 |
16K05499
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| 研究機関 | 電気通信大学 |
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研究代表者 |
宮本 洋子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50281655)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 量子エレクトロニクス / 電磁場の力学的作用 / 光の運動量 / 光の角運動量 / 回転シア干渉計 / 弱測定 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は光ビーム断面内のエネルギーの流れを測定する新しい手法の提案・実証を行うことを目的としている。ビーム断面内の運動量分布や角運動量分布を簡便かつ精度よく測定する手法を提案し、興味深い運動量分布や角運動量分布を持つ光ビームの測定を行う。平成30年度はビーム断面内の角運動量分布の精密測定を継続するとともに、新たに本測定法を弱測定の一種として定式化することに成功した。弱測定としての側面を強調する実験を行うため、測定対象の光ビームを新たに選定し、実験の設計を行った。
弱測定は特定の始状態と終状態の組み合わせについて測定対象の物理量を別の系（測定器系）に弱く結合させ、その後に測定器系に対して通常の測定を行うことで弱値と呼ばれる形で読み出す枠組みである。本測定法では方位角方向の位相勾配が弱値に相当することを明らかにし、弱値の増幅を確認する実験を設計した[宮本他、日本物理学会 (2019)]。
これらに加えて平成28年度にロチェスター大学で行った実験について Boyd 氏（海外研究協力者）らと議論を行い、特定の動径方向のモード関数をもつ光子を選別して検出する技術について論文をまとめた[Choudhary et al., Opt. Lett. (2018)]。非点収差を用いてインコヒーレント光の軌道角運動量スペクトルを明らかにする方法や[Miyamoto et al., ODF (2018) 他]、ビーム生成・検出に用いるホログラム材料についても検討を進めた[早瀬他、Optics and Photonics Japan (2018) 他]。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は提案手法の有効性を実証する実験に引き続き取り組むとともに、本手法の拡張について検討する計画であった。提案手法の有効性の実証については、干渉計内で生じる余分な位相差の補正を行う機構を追加する等の工夫を行い、測定対象のビームも単純なものからより複雑なものへと順調に進めた。拡張については当初は非一様な偏光分布をもつビームへの適用を考えていたが、本手法を弱測定の一種として一般化することの方が学術的な波及効果が大きいと考え、理論的な枠組みを整備するとともに弱測定としての側面を強調する実験を考案した。
以上から、十分な進展が得られていると考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初は平成30年度で終了する予定だったが、弱測定としての側面を強調する実験を追加することでより充実した研究成果が得られると判断し、研究期間の延長を行った。
令和元年度は上記の実験に取り組み、成果を論文にまとめる。弱測定の特徴の1つとして、始状態と終状態がほぼ直交している場合に測定結果である弱値が増幅される現象があり、実験の主目的はこの弱値の増幅の様子を観察することである。本研究課題の回転シア干渉計では方位角方向の位相勾配が弱値に相当し、入射ビームのパラメターを制御して弱値の増幅の度合いを変化させる実験について、平成30年度中に立てた計画に沿って進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額155,079円が生じた主な原因は、令和元年度に行う実験について、使用部品の一部を実験系の構築がある程度進んでから選定することにしたためである。
令和元年度は155,079円を使用する。
物品費（95,079円）は実験系の改良のための光学部品を購入する。その他（60,000円）は国際会議参加費として使用する。
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