中性子・γ線準弾性散乱実験と横波超音波を用いた複素粘性係数測定を組み合わせることによって、粘性を支配する微視的液体構造の抽出を行った。静的構造因子が分子間距離に対応する単一のピーク(主ピーク)によって特徴づけられる場合には、主ピークの構造緩和が粘性を支配することが示された。一方、静的構造因子の低角部に中距離構造を反映したプレピークが存在する液体である、長いアルキル鎖を持つイオン液体および高級アルコールについて同様の解析を行ったところ、前者では粘度に対する中距離構造の寄与が小さく、後者では寄与が大きいという、系に依存する結果が得られた。
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