ヒト幹細胞膜の相互作用における糖鎖の役割を解明するため、糖脂質膜の力学的特性の定量と、ヒトiPS細胞の接着表面の揺らぎ評価を行った。浸透圧やカルシウムイオン濃度による膜間距離の変化に加え、糖鎖分子の種類・比率による脂質膜の曲げ剛性率と圧縮剛性率の変調を明らかにした。また、糖脂質膜の種類による細胞接着面積の違いを測定した。この手法を異なる実験系にも応用展開し、フッ化炭素鎖ナノドメイン構造の長距離相関、双対イオン性ポリマーブラシと赤血球の界面相互作用ポテンシャルの測定、さらにヒト角膜内皮細胞の品質管理や再生角膜の予後予測のためのバイオマーカーの開発など幅広い成果を得た。
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