ウマシトクロムc(cyt c)のドメインスワッピングをターゲットとして、この過程における溶媒の役割の解明をめざした。まずモノマーおよびダイマーの平衡状態での安定性ついての研究を行い、アミノ酸残基ごとの構造エネルギー、構造エントロピー、水和自由エネルギー等のダイマー安定化への寄与から、二つのcyt cに挟まれた解離性残基の静電反発が大きな役割を果たすことが分かった。さらに、ダイマー形成によるcyt cの不活性化の原因となるヘム周辺の構造変化を原子レベルで明らかにした。 続いて、陰イオンがダイマー形成に及ぼす影響についても検討し、タンパク質-イオンの相互作用のイオン種ごとの違いを明らかにした。
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