研究課題
エアロゾルは大気化学、環境化学などで話題になる数μmのマイクロ微粒子のことでる。気候変動や大気汚染などの原因物質であり、また、製造業ではコンタミとして、デバイスの汚染・歩留まり低下を起こす。本研究では、真空中に溶液状のエアロゾルをパルス噴射する装置を製作し、分光測定、特に光電子スペクトル、X線吸収スペクトル(いわゆるXAFS)測定実験、フラグメントイオン検出実験を真空下で行い、電子状態およびそのマイクロ構造を明らかにすることにある。昨年度は実際に制作した噴射ノズルの実験を真空チャンバーを用いて行った。その結果、噴出により著しく真空度が低下するため、その改良を行った。差動排気部分を作りそこから噴出させることにより真空度を1×10^-3 Pa程度になるようにした。さらに、この装置をつくば市にあるPF(フォトンファクトリー)に持ち込み移設した。今後は、噴射ノズルで生成したマイクロ微粒子試料をイオン化し、そこから同時生成するイオン対のフラグメントを測定する。また、試料噴射時のみの時間分解測定のため、時間分解の画像測定装置一式を購入し、測定プログラムを開発し、光電子分光装置に設置し、実際の実験(時間分解測定)をSPring-8 BL17SU(理研ビームライン)にある世界最高性能の光電子分光装置SCIENTAに設置して実験を行った。現在のところ、ビデオボードとビデオがうまく作動していない(画像の1/4しか記録されない)が、時間分解測定そのものは可能であることがわかった。今後は新たなビデオを購入して再度実験を行う。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
New Journal of Physics
巻: 21 ページ: 043015
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 21 ページ: 10