近年、液体状態で多孔性を維持する物質をデザイン・合成することが世界的に行われている。本研究で我々は、溶融P4MP1が多孔性液体としての特徴を有することを見出した。この高分子溶融体において、嵩高い枝分かれ状の構造に起因した細孔は、減圧に伴い細孔サイズが回復する。これは、これまでの"多孔性液体"には見られない特性であり学術的に意義深く、応用にも役立つ可能性がある。 また、P4MP1固体フィルムが油同士の分離能を有する事を初めて見出し、この分子選択性に統計力学的立場から説明を行った。この知見は石油を始めとする液体分離分野に役立つだけでなく、分子認識に関するごく基礎的な知見としても学術的意義がある。
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