本研究では、NASA火星探査機 Mars Global Surveyorによる火星磁場観測データを解析し、火星表面における磁気異常図を作成した。従来の400㎞高度磁気異常図では見られなかった短波長磁気異常が見られ、プレートテクトニクスを示唆した大規模な磁気異常帯は観測高度による見かけのものと考えられる。さらに、火星地殻の表面磁場強度と地殻標高に相関が見られ、強い磁気異常は低標高地域ではほとんど見られず、高標高地域に存在する。このことは、従来の火星地殻磁化構造モデルでは説明できず、新たなモデルの検討を要する。また、磁気異常パターンを他の岩石型惑星・衛星と比較し、共通点と相違点を検討した。
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