研究課題/領域番号 |
16K05545
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
花田 英夫 国立天文台, RISE月惑星探査検討室, 准教授 (60132677)
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研究分担者 |
船崎 健一 岩手大学, 理工学部, 教授 (00219081)
佐藤 淳 岩手大学, 理工学部, 准教授 (60324969)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 倒立振子 / 高精度鉛直制御 / 圧力センサー / バネ / 傾斜計 / 自動ステージ |
研究実績の概要 |
倒立振子を用いた姿勢制御方式の有効性を確認するために、まず、1方向のみに振動できる2次元の倒立振子の実験装置を作成し、振子の鉛直からのずれを検出するセンサーとしては、バネと圧力センサーを組み合わせたものを採用しました。まず、CAD上の図面から振子の質量、慣性モーメント等を計算し、それらの値をもとに、倒立振子が鉛直からずれた時に急速に倒れないように、固有周期を長くするバネの強さを、数値シミュレーションから求めました。つぎに、そのようなバネを購入し、実験装置に組み込み、支点の制御を行わない状態で振子を自由振動させ、固有周期を測定しました。測定された固有周期と、この振子の支点の位置を制御するのに必要な自動X軸ステージの最大速度とを比較し、今回選定したステージで余裕を持って制御できることを確認しました。実験の初期段階では、振子の鉛直からのずれを検出するのに、バネと圧力センサーの組み合わせ以外に、補助的に、振子の上部に固定した傾斜計を用いました。予備実験として、傾斜計の信号をもとに、傾斜がゼロ(振子が鉛直)になるように、自動X軸ステージを制御し、振子を鉛直に保つことに成功しました。ただし、鉛直の精度についてはこれから追求していく予定です。 左右のバネの特性をいかに等しくするか、または、どのように調整するか、バネの伸び(縮み)を高精度に測定するセンサーおよび方法、3次元に拡張する場合のバネの設置方法等が今後の課題です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、最初は鉛直の精度を目標値より一桁下げて、3次元の倒立振子について、圧力センサーと自動ステージを用いた制御方法が正常に動作することまでを確認することでありましたが、共同研究者との実験方式の議論の中で、まず2次元の倒立振子で行うこと、圧力センサーだけでは調整が難しいのでバネを追加することが新たに提案され、その評価、そのための具体的な方法の検討に時間がかかり、実験を開始するのが少し遅れました。
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今後の研究の推進方策 |
1年目で実験の経験を積んだので、今後は、これまでの遅れを回復できる見通しを持っています。3次元の倒立振子の実験装置についても、すでに設計を行ったので、部品を購入すればすぐに実験を開始できる状況です。
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