研究課題
倒立振子を用いた姿勢制御方式の有効性を前年度に確認できたので、具体的な制御方式の確立とさらなる精度向上を目指して、実験開発を進めた。まず、1軸のまわりに回転する倒立振子について、上部を両側から同じ特性の弱いばねで引っ張り、振子が鉛直の状態の時のばねの長さを基準値とし、振子の傾斜によるばねの変位を変位センサー(マグネセンサー)で常時測定し、それを誤算信号として振子の先端部の位置にフィードバックをかけて制御した。誤差信号としては、10秒毎の瞬時値と10秒間の移動平均値の二種類について比較したが、移動平均値の方が、長周期成分の傾斜変化まで高精度に制御でき、より有効であることがわかった。また、変位センサーでをマグネセンサーからレーザ変位計に変えたところ、センサー自体のノイズに起因すると思われる短周期の変動が小さくなり、最終的に、1秒角以下の制御に成功した。この実験から、上端をばねで支えられた倒立振子のばねの変位を測定することは、上端を圧力センサーを介して外枠で支えて、圧力を測定することと等価であることが確かめられた。この一軸での実験の成功を受けて、同様の制御方式を二軸に拡張して実験を行った。二軸の場合は、例えば、X方向に変位があると、センサーの種類によっては、Y方向の測定感度が変わる場合があるが、制御が進んで、振子が鉛直に近づけば近づくほど、その影響はどんどん小さくなるので、制御の途中で可動範囲を逸脱する事さえ無ければ問題ないと思われる。この点を踏まえて、最初はマグネセンサーを用いて実験を行い、一軸の場合と同様の精度で制御できることを確認した。
2: おおむね順調に進展している
当初予定していた圧力センサーの代わりに、ばねの変位を測定することで同等の制御が可能であることを確認できたので、あとは、制御信号の最適化等具体的な制御方法を試行し、精度を追求していくことで目標は達成できる見通しを得た。
一軸でのバネと変位センサーを用いた制御実験の成功を受けて、同様の制御方式を二軸に拡張して実験を進めていく予定である。二軸の場合は、例えば、X方向に変位があると、センサーの種類によっては、Y方向の測定感度が変わる場合があるが、制御が進んで、振子が鉛直に近づけば近づくほど、その影響はどんどん小さくなるので、制御の途中で可動範囲を逸脱する事さえ無ければ問題ないと思われる。この点を踏まえて、最初はマグネセンサーを用いて実験を行い、基本的な制御信号の特性を調べ、一軸の場合と同様の精度で制御できることを確認した後に、より安定性のある、レーザ変位計を用いて、1秒角での精度で制御できるできることを目標に実験を進める予定である。
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Journal of Physics: Conference Series
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